2025-12-12
(交滙点ニュース)「87年前、南京大虐殺を記録した『マギー・フィルム』が既に日本で上映されていた」。12月10日、南京大虐殺史研究の専門家郭必強氏らによると、研究者らの継続的な調査により、1938年3月に中国が極秘グループを日本に派遣し、英文・和文資料、特に「マギー・フィルム」のコピーを持たせ、揺るぎない証拠で南京大虐殺の残虐行為を暴露し、日本側の真相隠蔽を厳しく批判した事実が確認された。これは当時の中国政府の厳正な立場を示すものだ。

ミュリエル・レスター、英国の著名な社会活動家、平和主義者
中国第二歴史档案館の研究員郭必強氏によると、このグループは当時の中国対外宣伝機関「国際宣伝処」が派遣したもので、4名のメンバーは全員外国人。中国にいた英国社会活動家のミュリエル・レスター氏と日本籍の友好人士3名で構成されていた。使用された資料は、日本軍将兵が私的に撮影・現像した中国軍捕虜や民間人を虐殺し、女性に暴行をする写真、及び米英メディアの報道、そして「マギー・フィルム」のコピーで、全て日本側または第三国から入手したものだった。彼らは上海から東京に到着後、各国駐日公館関係者や外国人記者、日本の政党・団体、実業家、宗教界人士らに対し南京大虐殺の真相を伝えた。
派遣は成果を上げた。国際宣伝処が中国政府に提出した秘密報告書と付属文書『赴日報告』には、「(彼らは)極秘で英和宣伝資料を携行し広く配布、相当な反響を呼んだ」と記され、特に「マギー・フィルム」については「南京で外国人が撮影した日本軍の暴行映像400フィートを持ち込み、東京の各国公館関係者や開明的な日本の有識者を密かに招き数回上映した」と特筆されている。
江蘇省中国近現代史学会会長で南京師範大学の張連紅教授は、「南京大虐殺中、米国人牧師ジョン・マギーが16ミリカメラで命がけで撮影した映像は『マギー・フィルム』と呼ばれ、日本軍の暴行を告発する現存唯一の動画記録だ」と説明する。当時、南京安全区国際委員会のジョージ・フィッチ総幹事がマギーから託されたフィルムを上海に密輸し、英国記者ティムパーリーに手渡した。彼はコダック社で4部のコピーを作成し、うち3部は欧米に渡り、1部はフィッチからレスターに贈られた。
南京師範大学ニュース・メディア学院の陳暁准教授の調査によると、「マギー・フィルム」は1938年2月4日までに既に公開されており、約1カ月後にはレスターがコピーを日本に持ち込み、東京で上映された記録がフィッチへの報告に残されている。これは、南京大虐殺の史実が映像という形で日本に伝えられた最も早い事例だ。
四川省社会科学院の日本文化専門家楊小平氏の研究では、当時このコピーは少なくとも宗教界の賀川豊彦氏の集会で上映され、小崎道雄氏らも立ち会っていた。
日本当局の厳しい統制下でこのグループの活動は後に中止を余儀なくされたが、専門家らは「これらの史実は、中国の日本による中国侵略と南京大虐殺に対する立場が厳正かつ一貫していることを証明しており、『当時中国政府から南京事件に関する声明は一切なかった』とする日本右翼の謬論を完全に論破するものだ」と指摘している。
新華日報・交滙点ニュース記者 于英傑
揚子晩報・紫牛ニュース記者 臧磊
(特別協力 南京市人民政府外事弁公室)