「こんなこと思いもよらなかった」…85歳女性、長女夫婦との泥沼裁判を招いた「近居」のすれ違い

2026-09-03 HaiPress

〈法廷の雫〉

「何もかも持っていかれた。返して」。車いすに乗った白髪の女性(85)が5月下旬、東京地裁の法廷で、か細い声を上げた。身内と、「スープの冷めない距離」で始めた「近居」は、すれ違いによって法廷闘争となった。

◆長女の夫から提案「1人暮らしは不安だろうから一緒に住みませんか」

九州の実家に1人で住んでいた女性は約10年前、東京都内で不動産賃貸業を営む長女の夫からこんな提案を受けた。「港区にマンションを建てる。1人暮らしは不安だろうから一緒に住みませんか」

東京地裁などが入る裁判所合同庁舎(資料写真)

女性は九州の家を売り、2018年2月、都心の一等地に建てられたマンションに入居した。長女夫婦は別の階に住んでいた。

入居に当たり、女性は長女夫婦側と契約を結んだ。家の売却代金など約1000万円を保証金として長女の夫の会社に預託。月約18万円の家賃は保証金から差し引かれ、残金がなくなった後は長女が家賃を負担することになっていた。

◆リハビリを経てマンションに戻ると私物が…

2022年2月、女性は腰の骨を折り、病院や施設への入転院を繰り返した。マンションを不在にしている間に保証金は尽きていた。

(写真はイメージ)

リハビリを経て2023年5月にマンションに戻ると、家財道具や私物の一切がなくなっていた。残金がなくなった後は、長女が家賃を負担する約束は知らぬ間に反故(ほご)になり、長女の夫は「部屋は別の人に貸した」。女性は施設に身を置くことになり、損害賠償を求める訴訟を起こした。

裁判で女性側は、マンションに終生住め...

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