2026-03-25
HaiPress
新型コロナウイルス禍で生活に困窮した世帯に、最大200万円の生活資金を無利子・保証人不要で貸し付けた政府の「生活福祉資金の特例貸付制度」。一定の収入を超えなければ返済は免除されるが、基準を超えるとぎりぎりの生活ながらも返済を迫られる。そのため「働き控え」をして収入を抑えるというジレンマを抱える人たちがいる。(中村真暁)
生活福祉資金の特例貸付制度コロナ禍で生活に困窮した人に、最大20万円を貸す「緊急小口資金」と、最大60万円を貸す「総合支援資金」がある。厚労省の制度で、各地の社協が業務を担う。2024年末時点で貸付額1兆4431億円のうち、返済が免除されたのは41%の6055億円。
「しまった。働きすぎてしまった」。2024年夏、東京都内の女性(58)は自宅にある通知が届き、頭を抱えた。コロナ禍に利用した貸付金60万円の返済を求める内容だった。

(写真はイメージ)
中高生だった子2人と地方から上京し、2020年3月からフリーランスで働き始めた。しかし、同時期にコロナが流行し始め、2カ月後には契約が打ち切られた。
女性は貸付制度を知り、2020年夏に社会福祉協議会(社協)で緊急小口資金20万円を借りた。その後も生活は苦しく、月20万円を3カ月間借りられる総合支援資金を利用し、60万円を借りた。「緊急事態だったので必死で、返済を考える余裕がなかった」と振り返る。
貸付制度の返済は2023年に始まり、前年度に住民税非課税となった世帯などは免除された。女性も最初の20万円は返済免除となったが、その後借りた60万円は返済が必要な所得を超えた。

(写真はイメージ)
「多すぎたのは1万円ほど。時給が高いパートで残業も多かったのが原因です。でも、返済が通知された当時は体調を崩して入院するなど、返せる状況ではありませんでした」
厚生労働省によると、生活に困っている人には返済を猶予する場合がある。女性も社協に相談して返済は1年延期されたが、昨夏になり再び返済開始の通知が届いた。「それで昨年10月に社協を訪れると、『と...
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