2025-11-28
HaiPress
高島平団地が賃貸タワーマンションに生まれ変わったとき、そこに今の住民は戻ってこられるのか。
タワマンを建設する都市再生機構(UR)と、建設予定地を提供する区が進める再整備の行方に、地元では「家賃が跳ね上がれば、官製の追い出しではないか」と疑問が募っている。

都営三田線沿線の高島平団地。右の高島平駅の前にある7棟が33街区。中央上が旧高島第七小、左上が高島第五小=1月、東京都板橋区で、本社ヘリ「あさづる」から(石橋克郎撮影)
11月27日の板橋区議会本会議で、「建て替えが必要」とする立場の中妻穣太区議(民主クラブ)がこの核心に切り込み、区の姿勢をただした。区側はどう答弁したのか。(増井のぞみ)
27日の板橋区議会本会議の一般質問。中妻区議は、「昨今の住宅価格高騰により、人口が都心部から板橋区のような周辺部へ、より収入の低い世帯は区内から埼玉県などの区外へ移動している」などとして、区のまちづくりへの考えをただした。
「板橋区はジェントリフィケーション、つまり地域の高級化に伴う既存住民の実質追い出しの推進を良しとするのでしょうか。その点をお答えください」
坂本健区長はこのように答えた。

(左)板橋区の中妻穣太区議=本人の動画サイトから(右)坂本健区長=資料写真
「暮らしの利便性や質の向上、地域の魅力創出を図り、住みたい、住み続けたいと思えるまちづくりは区政の伸長発展には欠かせないものと考えます。しかしながら、街の暮らしやすさを高めていくにあたり、その地域の持つ歴史、土地柄など十分に特色を踏まえながら取り組んでいくべきだと考えています」
イエスでもノーでもない答弁だった。
板橋区内では、高島平のほか大山、板橋、上板橋でタワマンを建設する再開発の計画が進む。区は都市計画の基本的な方針「都市づくりビジョン」改定案で「持続可能な区政を実現するため地域の価値を最大化する」と掲げている。
中妻区議は、高島平団地の建て替え対象33街区(1955戸)の住民が最も心配しているのが新棟の家賃だとして、すでに建て替えが終わった東京23区のUR団地の家賃の例を挙げた。

10月に高島平団地まつりが開かれた33街区
東京都北区の赤羽台団地の建て替え後団地「ヌーヴェル赤羽台」は最も安い1Kで月9万700円、最も高い3LDK+Sで月3...
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